狂うぜ先生の世界史講座・アメリカ編
〜古代史?〜
「みなさんこんにちは、早速授業をはじめましょうか。
今回のテーマはアメリカ、この講義を受けている人の中で、アメリカ国籍を持っている人はいますか?」
「はいは〜い!ありさちゃんは生粋のアメリカ人でっす!」
「お前、バカか!? 生粋のアメリカ人っていうのはネイティヴアメリカンの人たちを指すんだぜ?ネイティヴの方々の土地を奪ってのうのうと繁殖した略奪者の子孫が、『生粋のアメリカ人』だぁ!?
盗人猛々しいわ!」
「ネイティブアメリカンって何〜?」
「おいおい、そんなことも知らないで今まで生きてきたのかよ?よく恥ずかしくなかったなあ
ネイティブアメリカンってのは、平たく言っちまうと、インディアンのことだ。
おっと、ここで注意な、インディアンってのは、今は差別用語だから使わないようにな。
使うと、ネイティヴの人以上にうるさい奴らに糾弾されちまうからな」
「でも昔、インディアン、嘘つかない♪嘘つかない♪ってCMが流行ってたよ?」
「今は見ないだろ?時代の流れでアウトになったのさ、
まあどっちみち、ネイティヴの人たちは嘘をつかない、素直で優しい人たちだったがな」
「さてさて、話が少し脱線してしまいましたね。そろそろ内容に入らないと…
ありさちゃん、いつまでも泣いていては、授業の妨げになりますよ?」
「(ぐすっ・・・ひっく・・・)・・・はあい・・・・」
「ハッ!(嘲笑)泣いてやがるぜ!
でもなあ!ネイティヴアメリカンの方々は、故郷を追われた時、もっと多くの涙を流したんだよぉ!
貴様の流した涙などでは、ネイティヴの方々の悲しみの一兆分の一も贖うことはできんわ!」
「いい加減進まないので次いきますよ?
そのネイティヴアメリカンの人たちは、まだベーリング海峡が地続きだった頃にユーラシア大陸から移住してきた、モンゴロイド達の子孫なのです」
「・・・モンゴル人?」
「それはモンゴリアン、モンゴロイドというのは
ニグロイド(黒人系)コーカソイド(白人系)、オーストラロイド(蒙古系)と並ぶ、世界四大人種の一つです、
主にアジア系に多いですね、そうそう、こむぎちゃんもモンゴロイドですよ」
「黄色いサルめ・・・」
「ほぇ?」
「あ〜もう・・・いざあく君、先生はキミのことが大好きですが、
あんまり授業の進行を妨げるようなことをすると、わたしの下半身についているロングビームサーベルでその口を封じますよ?」
「は・・・・すいませんでした!もうしません!」
「わかってくれればよいのです、いやね、先生にも悪いところがありました…
なにせ、まだ予定していた受験必須ワードがモンゴロイドしか話に組み込めていなかったもので・・・
・・・ですからちゃっちゃと行きますよ、最後にもう一度断っておきます
このページはあくまでセンター(一部私立)対策なので、必要以上のことは教えません!
興味が湧いたら自分で本でも読んでください、受験戦争とはそういうドライなものなのです」
「じゃあさっさと教えなさいな」
「言わずもがな!古代アメリカのキモと言えばもちろん三文明、アステカ・マヤ・インカですが、
これらを学ぶ前に、アメリカ最古の文明はオルメカ文明で、縄文時代と同時期、彩文土器が用いられた、とチャチャッと覚えちゃってください!
この文明だけ単品で出される可能性があるので・・・」
「先生っ!彩文土器ってなんですか?」
「Googleで調べろバカ」
「・・・原始農耕社会で見られる、顔料で表面を彩られた土器のことだよ・・・」
「さて・・・やっとアメリカの三文明に移れますね・・・
この三文明、成立の時は少しずつ違えど、消滅の時期はほとんど同じです!
ですから、年代はあまり気にせず、三つの文明を一つずつ見てゆくことにしましょう。
でもとりあえず、三文明の位置だけは確認しときますか・・・先生、張り切って地図を描いちゃいました。

「・・・つっこむべきか、微妙なセンです」
「気にしてはいけません、大まかに判れば良いのです。
いい加減脱線には飽きました、さっそくアステカ王国の説明に行きましょう!
アステカ王国、首都はテノチティトラン、 マヤ文明の流れを汲むアステカ文字を使用していました。1521年にスペイン貴族のコルテスに滅ぼされます、以上。」
「も・・・・もう終わり!?」
「これ以上何を教えろと?勝利の鍵は、コルテスが皇帝モンテスマ2世を人質に取ったところ、だとかですか?そういうのはご本を読んで独力で学べや、ヤンキー」
「でも先生…しっかり太字で表記している気が・・・」
「コレはこのページを見ている(いないだろうが)有名私大希望者のための救済処置です、
こんなわけわかんねえ皇帝センターに出されてたまるものか!」
「(先生の情緒がやけに不安定だ・・・クスリが切れたのか?)」
「次、マヤ!マヤで覚えることはたった三つ!
・高度な象形文字マヤ文字を持っていた!
・なぜかゼロの観念を持っていた!そして20進法を使った!
・最後に、他の二つの文明と違い、青銅器が発達しなかった!
はい復唱!コレで完璧!」
「・・・オイ変態仮面」
「・・・?私のことですか?」
「そう、あんただあんた、
一言言わせて貰うと、受験に必要な言葉を羅列するだけなんざサルでもコンピューターでもできる、
サルやコンピューターにできないのは、そいつ独自の方法で解りやすく、その言葉を説明し、覚えることを促進させられるような工夫だ、その工夫を怠ったら、アンタはサル以下ってことになる!以上!」
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「!!!」
「・・・・・・・」
「わかったか?このヘタレ」
「・・・・先生、目からうろこが落ちましたよ・・・
先生は忘れてしまっていたようだ・・・教師を志していた時の、あの情熱を!
夢を!希望を!
わかりました!先生も全力を尽くして、みんなが世界史を好きになってくれるように工夫をしながら、
楽しく、解りやすく授業をしてゆきたいと思います!!」
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「(パチパチパチ・・・・)」
「それじゃあ気を取り直してインカ帝国行ってみよう!
このインカ帝国、初代皇帝の名はマンコ・カバックといいます!」
「マンコ・・・」
「カバック・・・・・・?」
「グゥレイトォ!!コレだよ!俺の求めていた授業は!
こんな他愛のないエロ歴史を学ぶために俺は今ココに居るんだよ!!」
「喜んでいただけて何よりです、
でもこんな知識、絶対センターに出ませんので、注意してください。
さて、どんどん行きましょうか・・・
このインカ帝国、先の二つの文明と違い、文字を持ちませんでした、
しかし、キープ(結縄)という、独特の記録方法によって、歴史を保存してきました。」
「先生!キープってどんな風に記録したんですか?」
「大変よい質問です。
キープとは縄の結び目の数や形に意味を持たせた記録方法なのです。
いいかげんな例ですが、玉結び一個で1とか、そんな感じです。
ちなみに先生は、相手が望むなら、縛りプレイも辞さないです。」
「縛りプレイ?」
「知らないならこれからも今のままののキミでいて・・・!
さて、なんやかんやで隆盛をほこったインカ帝国ですが、やはり1533年に一人の征服者によって滅ぼされることになります。
その征服者の名はピサロ!」
「お!ドラクエW」
「あの、最初は結構哀れだったけど、問答無用の最終形態の
凶悪さ、醜悪さに一気に同情の念が引けちゃった、アイツね!」
「このピサロ、かなり悪どいやつで、
インカ帝国に進入して、王を拉致し、身代金として金銀を大量にせしめたあと、
その王をぶっ殺してインカ帝国を滅亡させたのです。
さすが、第五章の冒頭で、主人公の村を焼き討ちするだけはあります。」
「でも先生、インカ帝国ってかなり医術が発達していて、
戦闘中にできた硬膜外血種くらいなら、穿頭手術で治しちまうって、ある書物(JIN-仁-)で読んだぜ?
そんなあっさりやられるもんなのか?」
「でぃあっか君、本編での地味さを一蹴するような活躍ぶりですね。
確かにインカ帝国の医療はかなり優れていました、当時のヨーロッパ諸国など、歯牙にもかけなかったでしょうね・・・
でもそれは、外科の話だけです。」
「先生!詳しく説明してください!」
「なんだか、授業をしてるんだな〜という実感がしてすごく嬉しいです。
インカ帝国で外科が発達したのは、彼らが16世紀になっても戦乱に明け暮れていて、戦闘での死傷者が後を絶たなかったから・・・
これはヨーロッパでも同じことですが、ヨーロッパでは戦闘での死傷者よりも深刻な理由での死者が多かったわけですよ・・・なんでだか、分かりますよね?」
「疫病・・・ですか・・・・」
「(ボケろよ)そのとおりです、疫病は兵士だけではない、一般の人々さえ死に至らしめる恐ろしいものです、ヨーロッパではそれに対抗することのほうが、外科を発展させることより重要だったんでしょうね・・・
さて、背景は話し終えました。
なぜインカ帝国が負けたかというと、ヨーロッパの征服者たちがもってきた疫病に、原住民達がかかってしまったからです、その疫病とは
天然痘とインフルエンザ、
天然痘の予防が可能になったのは、その時から250年後、ジェンナーの種痘法が確立されてから、
インフルエンザは今もなお人類を怯えさせている病気です。
当時の、疫病に対する知識がほとんどなかった人たちに太刀打ちできるはずがありません。
正確には、当時のアメリカ大陸には梅毒もありましたが、梅毒は空気や水では感染しませんから…」
「なかなかいい感じの授業内容よ…」
「ありがとうございます。
さて、二人の征服者(コンキスタドール・馬じゃないよ)によって攻められたアメリカ大陸(というか南アメりカ)は、
ある一国をのぞいてみなスペインの支配に屈してしまいます。」
「ある一国って?」
「南アメリカ大陸に、一国だけポルトガル語が公用語の国があるだろ?」
「そう、ブラジルですね。
ブラジルはカブラルというポルトガルの探検家が、ポルトガル王の名において領有を宣言したことからブラジル領なんです。
まあ、ブラジルに漂着したってだけなんですが、とんだ拾い物でしたね。」
「へ〜…ぜんぜんしらなかったよ(滅)」
「さてさて、南アメリカ大陸を征服したスペインは現地インディオを過酷な労働に駆り出しました。
その過酷さたるや、3500万人近くいたインディオが一気に300万人になってしまうくらいに。
・・・まあ、冷静に考えると、そんなキツイ労働ありえませんね、実際のところ、死因は疫病が占める割合が多いでしょう。」
「・・・もっともだ・・・さすが先生!プロヴィデンス!」
「このようなインディオの悲惨な状況を見て、中南米の征服の廃止をスペイン王カルロス一世に訴えた人がいます、
この人が、スペイン人のドミニコ派修道士、ラス・カサスです。」
「へえ・・・侵略者の中にも、まともな人がいたのね・・・」
「ハァ!?何を言っているんですかアリサ・グレンノース君?
私はラス・カサスは、最低のワガママ野郎だと思っていますが?」
「え!?でも、インディオのことを守ったって・・・」
「確かに彼はインディオは守ろうとしました、しかし、あくまでもインディオしか守ろうとはしなかったのですよ・・・
こんな記述があります。
ラス・カサスは、インディオのからだの作りがひ弱であると示唆し、アフリカの住民なら、鉱山やプランテーション用の肉体的な苦役に、はるかによく耐えられると発言したという。
この示唆に人々はとびついた。
続く350年のうちに1500万から2000万人の人間がアフリカから連れ出され、奴隷としてアメリカに売られたのだ。
世界史上最大の商売の一つである奴隷貿易は、1520年にラス・カサスが申し述べたこのことばを引き合いに出し、かれをその庇護者であると指名した。」
「・・・わかりましたか?実は、奴隷にはアフリカ人がいいんじゃないか?といったのは、インディオの自由と生命を守るために奮闘したラス・カサス自身なのです!
まあ、インディオを守るために、数多のアフリカ人を犠牲にしたとも置き換えられるでしょう。
ラス・カサスは先ほどの発言が、奴隷貿易の免罪符になっていると知って、死ぬほど苦しみましたが、
どう購っても、無理矢理連れて来られた黒人奴隷達の悲しみは癒せません。」
「・・・なんだか・・・考えさせられる授業だ・・・」
「ああ・・・俺達はもっと歴史を学ぶ必要がありそうだな・・・」
「はい、歴史を学ぶというのは、相手を理解し、自分達を知るのにも大変重要なことなのです。
しかし、一面から歴史を眺め続けてはいけません、時には角度を変えて、時には他の人の見方を参考にして、眺めることが大事なのです。
私の授業も、その一環となれれば大変嬉しく思います。
これからもどんどん歴史を、わたしの濁った目を通して観察していきましょう!」
「先生!ではこれからの授業はどうするのですか?」
「はい、これから200年、アメリカ大陸は、植民地戦争の舞台となりつづけます・・・
が、その辺の歴史はダルイし、あんま試験にも出ないのでカット!
次回の授業からは、アメリカの独立をテーマにやって行きます!
あ〜・・・古代史なのに、めっさ近代のことまでやってましたね・・・
まあいいです、では休み時間にしてください!
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「やべー!大事なこと言うの忘れてた!
知っている人も多いと思いますが、アメリカ大陸では、征服者が来るまでは、
お馬さんがいませんでした!!
コレは今回の駿河・進研模試でも軽く出題されているので、出る確率はめっぽう高いでしょう!」
(追記:2006/7/22)
「先日、当サイトの掲示板にこんなご意見をお寄せいただきました」
「初めまして、通りすがりです。
古代アメリカを勉強している身からちょっといろいろ言いたいことがあります。
世界史講座の古代の部分で、アステカの段ですが、
マヤ文字の流れを汲んだアステカ文字…??
ちと、講釈たれます。
アステカ族は今のアメリカ合衆国南西部に住んでいたチチメカ(蛮族の意、中国で言う所の「夷」)の一部族でした。
つまり、文字は持っていないく、メキシコ中央高原に住んでいた人々から言わせれば、下賎だったわけですね。
そんな野蛮部族なぜ大帝国を作れたか…。それは裏切りと持ち前の凶暴性でした。
15世紀前半にチチメカ族の中で最後に南下したのがアステカ族でした。
そして、元々メキシコ中央高原にあったアスカポツァル王国の傭兵になった彼らは、戦功として領地(テノチティトラン)を貰い、そこで力を付けます。
領地を貰うことが目的だったのか、さっさとアスカポツァル王国と手を切り、
テスココ、トラコパンと手を組んで(三都市同盟)アスカポツァル王国を殲滅します。
その後、トラコパンも裏切り、中央高原一帯の支配を固めます。しかし、この時もまだ文字は持ちませんでした。
文字を持ち出したのはオアハカという地域にいた、ミシュテカ族をテノチティトランに強制移住させたことによります。
ミシュテカ族は非常に手先が器用で、文字を書いたり、絵を書くことが得意でした。そこで、アステカの歴史を書くように命令されたのです。
つまり、ミシュテカ文字がアステカ文字になったということです。
マヤとミシュテカは地理的に隣接していますが、マヤ文字とミシュテカ文字は別の文字だというのは一目瞭然です」
「先生・・・これは・・・?」
「これが正しければ、先生は俺たちにウソをついていたってことに…」
「「おとなはウソつきだ」と思った少年少女のみなさん、どうもすみませんでした。
おとなはウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです…。」